朝、僕は目を覚ました。
悩ましい太陽光が僕の顔に容赦なく時を告げる。
不快な朝の目覚めである。
が、この時ばかりは何故かスッキリしていた。熟睡したあとの爽快感である。が、それは僕にとって恐ろしさの象徴となるのに1分も必要ではなかった。
恐る恐る目覚まし時計を手にとる。一瞬時が固まった…が、その一瞬以上の速さで動かねばならないことに頭がついてくるのに恐らく3秒もいらなかった。
布団を蹴り飛ばして、起き上がった。その拍子に目覚ましも一緒に飛んでいった。
ガンッと壁にあたる音がして床に無造作に転がり落ちた。
僕は勢いよく寝巻きを脱いで、寝癖のまま制服に着替える。まさか…まさか寝坊するなんて…
今でもまだ信じられなかった。僕が目覚ましをかけ忘れることはめったに無い。が万が一でも母さんがいる…はずなのに今日は起こしに来なかった。なぜ?
その疑問に至った時には焦りが少し消えて、母への不満がつのった。
部屋での支度を終えるとほぼ同時に部屋を飛び出た。
朝食を食べてる暇も無い…僕は玄関まで走り抜けて、ドアを破壊する勢いで開け放った。
その際、不満を抱いた対象に会いはしなかったものの行ってきますと大声を張り上げて出て行った。返事があったかどうかは知らない。
外に出ると湿気のこもった暑さが僕の体にまとわりついた。
不快感が頭の芯から足先までを1秒以内に駆け抜けた。
学校までは歩いて15分。その距離を約5分以内に到着しなければならない。
不可能…その3文字が頭のど真ん中を駆け抜けようとも僕は走るのを止めなかった。
風景はまるでいつもと違った。通学時は賑わっていた住宅街も通りも静かだった。遅刻者だけが味わえる静寂の時間帯。人も車も自転車も、そこに姿は無かった。が、その静けさが僕に一つの疑問を浮かび上がらせた。
静か過ぎる…まるで人が消えたように…
だが、そんな現実離れした疑問に耳を傾ける暇も無い僕にはただの独り言に聞こえた。
だがこの疑問は原点であり、始まりである。
学校に着いた時点で既に8時31分。25分に門が閉まるので遅刻である。
が、僕は目を疑った。門は無造作に開けられてい。まるで僕が来るのを待っていたかのように。
荒い息を整えて、半面何かの罠かと疑いつつ、幸運だったと喜んで門をくぐった。
そこで待っていたのは騒がしい学校ではなく、物音一つ無い静寂に包まれた学校だった。
おかしい…絶対におかしい…
そんな思いを秘めつつ僕は上靴に履き替えて学校に踏み入る。
僕はまるで1人ジャングルにでも迷い込んだような感覚におちいった。
未体験の静寂に一気に孤独感があふれる。
そのせいか目の前が涙でぼやけた。孤独感が僕を平常心ではいさせなった。いやだ…嫌だ…独り…たった1人になりたくない。
今の僕が恐れる最大のもの、それが唯一絶対の無音である。
静寂という音を聞きたくない。聞けば聞くほど孤独になっていく。耳をふさいでも絶対に聞こえる絶対的な音。
僕は耳をふさいで廊下を走り抜けた。意味のない事ほど、今の僕に勇気を与えてくれるものは無かった。
ただ唯一心の中で願うのは教室にはいつもどおりの教室でいつもどおりのクラスメートにいて欲しかった。
この時僕は、あれほど嫌っていた日常に戻りたいと初めて思ったことに気付いていない。
そしてこの世には残酷な運命があることを知ったのはその数秒後であった。
夏の昼下がり…ゆっくりと流れる雲は空を飾り、かつて無い冒険へと踏み出す扉となるはずだった。
天に伸びる大空と輝きを増すばかりの太陽に僕は時折吸い込まれそうになる。
でも青く伸びる空は僕を置き去りにする…流れるわた飴のような雲は僕を見下ろし、そっと微笑んでいた。
この空に向かって手をかざす。
だけど届かない…なぜだろう?心のどこかで届く気がする。
だけど雲は僕の手を素通りし、空は天へ天へと続いていく。太陽はその輝きをただただ僕に見せつけて、温もりを与えた。
虚しかった…なぜ届かないのか分からなかった。理屈では分かっているのに心がそれを認めない。いつかは届くのだろうか?あの…大きな大きな空に
僕の空に…
「赤城くん!」
僕はハッと我に返った。つい癖で空を見るとその美しさと虚しさに見入ってしまう。
教室では国語の先生が教科書を音読する声がこだましていた。現実に引き戻された感覚で一時悲しくなる。
声を掛けたのは後ろの席の島村さんだった。振り返ると彼女はなんだか興味深そうな顔をして僕をじっと見つめていた。
「赤城くんってさ、何見てるの?…ずっと空見てるし…」
「え…いや…暇つぶし?的な」
僕はありもしない答えをぶちまけた。正直彼女とはあまり親しくはない。というか僕には友達が少ない。
彼女はそんな僕の貴重な話し相手でもあった。とはいっても授業のことやテストのことばかりで、やはり親しく見える仲では無い。むしろクラスメートだからと言った方が正しい。
今、素直に友達が欲しい…何でも話せるような友達が…
でも、人と話すのはあまり得意じゃない。だからどうしても人を避けるような行動をとってしまう。原因には、僕の独りよがりが挙げられるだろう。自分だけの世界を好み、自分だけのアイデンティティを形成し、自分だけの「自分」が僕を独りにする。
痛みも非難も中傷も暴力も無い僕の心の世界。幸いネット依存症ではないので、今まで引きこもりをすることもなかった。
いつものように授業を受け、いつものように帰り、いつものようにご飯を食べて、いつものように寝る。
いったい僕のどこに存在価値があるのだろう?死んでみれば分かるかも?
そんな思考回路でリストカットに至った経験もあるが、痛みに耐え切れずに断念した。
僕は僕であることを呪った。
もし神がいるなら僕を僕ではなくして欲しい。
それが、僕の唯一の望みだった。
そんな僕の周囲に変化が起きたのはその望みに至った次の日だった。
普通の日常…じゃない日常
~登場人物(ふぇんりる役)~
赤城 葉紅(あかぎ はぐれ)
・高校2年生
・クールでキレ者
・友達少なし…だが存在感あり
・運動は少々得意
・感受性が強くて、日常に自分の存在感を見出せなくなっている
・人の心を読む
・趣味はトランペット
・家庭内はある程度裕福で妹が一人
・リストカット経験あり……
その他登場人物もろもろ(随時更新予定)
SSにはならないかも…ちょっとロングになる予感
忙しくて更新が遅くなりました・・・。
ここで告知ですが、フェンリルと黒狐でちょっとssを書きます!!
設定は・・・フェンリルの方から告知がありま~す
いや、がんばってるんだよがんばってますからね(”??”)
流石にリアルイベント続きだったんで…(汗)
というわけで、UPガンバろ
イラスト期待しすぎないように
byフェンリル
ぐらいから毎日更新できればいいなぁ…
今日はクリスマスだったね~
みんなはどう過ごしたのかな
ちなみに黒狐は長野県でボードしてたよ
よろしくね~!!!
フェンリルとは違ってわりとふつーだよ~
書き込み・コメ・投稿は大歓迎!!
でも荒らしはNGだからね・・・
ちなみの、まじめにゲイだけどあらしは無しということで!
今後ともよろしくーーーー!!(~○~)
